友田明美「実は危ない! その育児が子どもの脳を変形させる ほめ育てで脳は伸びる」
このような怖いタイトルの本は、自分が必要以上に気にしてしまいそうで今まで避けていました(^^;)
でもサンプルをAmazon Kindleのアプリでダウンロードして、これまで子どもの発達を見守ってきた福井大学教授の友田明美さんが書いていることを知り、読んでみることにしました。
皆さんは、「マルトリートメント(maltreatment)」という言葉をご存知でしょうか?これは、日本語では「不適切な養育」を意味します。
「虐待」というと、日常的な激しい叱責や暴力などが思い浮かびますが、そこまで行かなくとも、「ついイライラして子どもに八つ当たりし、きつい言葉を浴びせてしまう」ことや、「同じ行動を親の気分で叱ったり叱らなかったりする」、「しつけのためにお尻や手の甲を軽く叩く」というものも、マルトリートメントに当たります。
日本のほとんどの親御さんがいくつか当てはまり、気付かずしてしまっていることも多い行いです。私もそうです。
その何が悪くて直すべきなのかと言うと、「子どもの脳を傷付ける可能性があるから」。傷ついた脳をもつ子どもたちは、学習意欲の低下・無気力・非行・うつ病などが見られやすいそうです。
ここまで考えて子育てをすると、正直苦しく感じてしまいそうです。が、子どもの脳が傷付く可能性があるという事実を知っているのと知らないのとでは、今後の関わり方も変わってくると思うので、この本をご紹介したいと思いました(*^^*)
著者の紹介
経歴を引用します。
友田明美(ともだ・あけみ)
福井大学子どものこころの発達研究センター教授・副センター長。同大学医学部附属病院子どものこころ診療部長兼任。小児神経科医。医学博士。専門は小児発達学、小児精神神経学、社会融合脳科学。1987年熊本大学医学部医学研究科修了。2009~2011年、および2017年4月より日米科学技術協力事業「脳研究」分野グループ共同研究日本側代表者を務める。 主な著書に『新版 いやされない傷─児童虐待と傷ついていく脳』(診断と治療社)、『子どもの脳を傷つける親たち』(NHK出版)、『マンガですっきりわかる 脳を傷つけない子育て』(河出書房新社)などがある。
引用元:友田明美(2019)『実は危ない! その育児が子どもの脳を変形させる ほめ育てで脳は伸びる』PHP研究所.p. 1302 .
本の紹介
PART1では、脳の成長期に大きなストレスを受け脳が傷付いた際の影響について、概要が述べられています。
PART2では、具体的なマルトリートメントが脳のどんな機能のどの部分に影響を及ぼすかが詳しく説明されています。それと同時に、どのような接し方によって軌道修正し修復していくかのアドバイスも、端的に書かれています。
PART3では、先に挙げたマルトリートメントの影響に挫けてしまいそうな親御さんへ、これからの子どもとの関わり方や挽回の仕方を教えてくれます。
PART4では、子育てをする中で出てくる悩みについてQ&A形式で回答されており、脳科学の観点からもアドバイスをもらえます。
友田さんもご自身の体験から語られたように、マルトリートメントをしない親はいません。でも一生懸命心を砕いて関わった挙句、それが子どもに悪影響を与えていたとしたら、お互いにとって悲しいことです。
日本では最近になって「しつけでも体罰はいけない」と認識されてきたところですが、「しつけのためにお尻や手の甲を軽く叩く」というものも、マルトリートメントに当たり、「ついイライラして子どもに八つ当たりし、きつい言葉を浴びせてしまう」ことも同様です。
私たちの世代でこの認識を改め、私たちの子どもたちから、できるだけ本人の個性や資質を損なわないような子育てができたら良いなと感じました。
イヤイヤ期前の1歳半健診の講習会などで、マルトリートメントについて説明する機会が設けられると、より多くの親御さんが虐待以前の段階で気を付けられ、適切な時期に周りにSOSを出せるようになるとも思います。
おわりに
この本を読んだのは、Amazonのおすすめタイトルで気になったのもありますが、自分自身がマルトリートメントを最近行っている自覚があったからです。
家族の風邪の看病や体調不良が1か月ほど続き、上の子を育てるなかでの性格的な難しさも相まって、子どもが癇癪を起こすと泣けてきてしまっていました。育児ノイローゼ気味になっていたと思います。
今週に入り、この本を読んだり先のことを考えるくらいの元気が出てきました!
子ども自身と向き合っていくことは本当に大変ですが、私自身が感じた「大切なのは、怒ってしまっても、過ぎていたら謝る、好きと伝える」という原点に戻り、子供たちを大事に育てたいと思いました。
友田さんのこちらの本は、主に虐待に発展したケースを扱っているもののようですが、一歩踏み込んで読んでみようと思っています。またこのブログでもご紹介します。教育関係の方も、是非読んでみてはいかがでしょうか。
Kindleアプリでサンプルをダウンロードすれば、概要と目次が見られます。
こちらは、子どもとの接し方の参考になる、優しい保育士のおばあちゃんの本です(*^^*)肩肘張らずに読めますよ!まずはこれだけ読んでおくのもおすすめの方法です。
ご参考に、二人育児で大変だった頃を書いた記事はこちらですm(__)mこの前は、体感的にはこの頃に近かったです…。
それから、「意識的にご自愛しよう!!」が私の今のスローガンです(笑)。皆さんも自分の気持ちや体調を大切に、早めに周りに頼りましょう\(^o^)/