大川繁子「92歳の現役保育士が伝えたい 親子で幸せになる子育て」

2021年6月28日家事・育児,自分伸ばし二人育児,,育児グッズ

ここ2週間ほど下の子のりっくんがお昼寝をしなくなり、上の子のあっくんが咳の症状で1週間ほど幼稚園を休まざるを得ず、日中にリフレッシュができず怒鳴ったり、長々説教をしてしまうことが多くなっていました。

上の子のあっくんは最近、弟の物をすぐに取ったり、取り合いになるとすぐに叩いたり。思い通りにならないと物を投げたり泣きわめくという、私から見たらひどい言動をします。こちらが話そうとしてもよそ事に気を取られて聞いていません。

下の子のりっくんも癇癪がまたぶり返して、秒でキレたり、ひっくり返ったりで大変でした…。

「ちょっと頭を冷やさなきゃ…。子供にキツイこと言ってる。反省しなきゃ」と思い、以前から気になっていたこちらの本を手に取りました。

Kindleのアプリをダウンロードすれば、紙の書籍を買うより安く読むことができ、便利です。スマホだと子供に取られたり落書きされる心配もないので、非常に読書が捗ります!!

著者の紹介

経歴を引用します。

大川繁子 おおかわ・しげこ

足利市小俣町にある私立保育園「小俣幼児生活団」の主任保育士。 昭和2年生まれ。昭和20年、東京女子大学数学科入学。 昭和21年、結婚のため中退。昭和37年小俣幼児生活団に就職し、昭和47年に主任保育士となり、現在に至る。 足利市教育委員、宇都宮裁判所家事調停委員、足利市女性問題懇話会座長などを歴任。 モンテッソーリ教育やアドラー心理学を取り入れた創立70年の同園で、およそ60年にわたり子どもの保育に携わっている。

引用元:大川繁子(2019)『92歳の現役保育士が伝えたい 親子で幸せになる子育て』実務教育出版.p. 1782 .

本の紹介

この本を書いた大川繁子さんは、当時92歳にして栃木県足利市にある認可保育園「小俣幼児生活団」の主任保育士を務めている方です。

この保育園では、「モンテッソーリ教育」「アドラー心理学」を合わせて、保育方針としています。

子どもに対しては例えば、

  • みんなで一緒に同じことをする時間はない
  • 自分のことは、食べる物や量でも、自分で決める
  • お昼寝は強要しない
  • ルールは園児と話し合って決める
  • 園児には「〜してくれませんか?」と声をかけ、命令はしない

ということを気を付けて保育をされています。

「モンテッソーリ教育」と「アドラー心理学」に通ずるものがあるのは知られるところですが、両者を合わせていると言っても、本書は肩肘張って読む本ではありません。

大川さんもおっしゃるように、「頑張らなきゃ!!」という気持ちを取り除いて、より親子ともに子育てを楽しむための本です。怖がらずに手に取ってみてください(*^^*)

これまでの保育経験から、現場でどのように子どもたちに接してきたかが具体的で分かりやすく、参考になります。

一人目の子育てからこの本を読んでいたら、もっと早く子供と対等に接することができたり、摩擦も少なかったのかなぁ…と思いました。色々思い悩んで、今があるのですが(^^;)

さて、この保育園では、保育に「モンテッソーリ教育」を取り入れたのが約30年前で、「アドラー心理学」が約20年前だそうです。どちらも大川さんの次男である、園長先生が導入のきっかけを作りました。

その前は、保育士として働く大川さんを含め、一般的な保育園でした。

だからこそ、これらの思想を実際の子育ての現場に取り入れる上での、戸惑いや不安もよくご存知です。

私もそうですが、これまで別の子育て観で育ってきた親世代には、「モンテッソーリ教育」や「アドラー心理学」は聞いたこともない新しい考えに感じる方がほとんどではないでしょうか。

本書では、こういった戸惑いを拾いつつ、保育園での成果も含めて、お話してくださいます。

大川さんの優しく語りかけるような文章が印象的で、たくさんの保育園児や保護者の方とお話してきた経験からでしょうか、本筋を伝えながらも話に飽きさせない、ウィットに富んだ表現が魅力で、非常に読みやすい本です。

おわりに

本書にある「大人が判断材料を与え、子供に選ばせてあげる」というのは、大体イエス・ノーの意思表示ができるようになる頃には始められますし、1歳半頃からの我が出てくるイヤイヤ期には、特に効果的です。

結局これ以降は、押し付けるより、子供の意見を聞きながら家事育児を進める方が捗るし、最初は対応も手数が思い付きませんが、園の先生や先輩ママをお手本にすると慣れてきます。

最近我が家でもこんなやり取りをしましたが、「このお薬を飲むと咳が早く治るけど、苦くて飲まなくてもゆっくりで良いなら治る。どちらが良いか、自分で決めて良いよ」などとプラス・マイナスの両面を考えて建設的な判断ができるのは、早くて2歳〜3歳。大人と話し合ってルール作りができるのも、それくらいからかなと、子供二人を育てていて感じます。

私自身、実際には優しく受け止めていられない場面も多いですし、子供も外や園で見せる顔と家とでは違います。

親も子供も遠慮がなくなる分、実践はかなり大変ですが、私は今後子供が思春期を経て成人した先にも、良好で互いに信頼できる親子関係を築きたいと思っています。

それに何より、大川さんの言うように、「自由に生きる力と、それに伴う責任を持てる子」になってほしいと思うので、最近の自分の言動を反省して、また仕切り直して頑張ろうと思いました\(^o^)/

もちろんその前に、子供に最近のことを謝って!!

本書に出てきた「アドラー心理学」について、青年と哲人という物語形式で説明されている本はこちらです(*^^*)私はやはり、まずはアドラー心理学に触れると親も子もほどよい距離感で、共に成長できると思います。

「モンテッソーリ教育」の考え方などを加味した、声かけの本がこちらです。

併せて知っておきたい、「マルトリートメント」について書かれた本の記事です。

2021年6月28日家事・育児,自分伸ばし二人育児,,育児グッズ

Posted by みう