岡田尊司「発達障害『グレーゾーン』その正しい理解と克服法」

2022年5月18日家事・育児,自分伸ばし,療育,育児グッズ

我が家の下の子りっくんは、療育センターで2回の発達検査と小児科受診をしています。

小児科の先生が可能性として考えているのが、りっくんの知的障害。または、私の推測ですが、知的障害ではないもののIQが70以上85未満の、知的障害のグレーゾーン「境界知能」を疑われているのではないか、と思います。

そのため就学前までの発達の様子を見る目的で、半年に一回、療育センターでの発達検査と小児科の受診が予定されています。

現時点で発達がゆっくりと言われるりっくんは、療育センターの勧めもあり、「発達援助」事由で保育園の年少に入園させてもらえたので、手厚い関わりが受けられる環境で見守っています(*^^*)

彼が丁寧な保育を受けた上で、周りの子の刺激を受けながら本人のペースで発達しているので、それを見守ること自体には、今のところ何の問題もありません。

ただ、「平均値に入ってきたとして、もし到達点が一般的な人よりも低いタイプだった場合、普通の人と同じ土俵に立つことは、りっくんにとって辛い経験にならないだろうか?」とふと疑問に思ったのです。

そんな時に、この本に出会いました。

知的障害・発達障害やその「グレーゾーン」と診断された人の生きる上での難しさや、障害未満だからといって何もしないで良い訳ではないこと、発達上問題がなくてもこだわりが強いことでも社会生活を送ることが難しくなるという、障害の診断に注意が行き過ぎて見えなくなっていた、ある意味当然のことにスポットが当てられています。

著者の紹介

経歴を引用します。

岡田尊司(おかだ・たかし)

1960年、香川県生まれ。精神科医、作家。医学博士。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒。京都大学大学院医学研究科修了。長年、京都医療少年院に勤務した後、岡田クリニック開業。現在、岡田クリニック院長。日本心理教育センター顧問。パーソナリティ障害、発達障害治療の最前線に立ち、現代人の心の問題に向かい合っている。著書に『アスペルガー症候群』(幻冬舎)、『愛着障害』(光文社)、『母という病』(ポプラ社)、『パーソナリティ障害』(PHP研究所)などベストセラー多数。小説家・小笠原慧としても活動し、作品に横溝正史賞を受賞した『DZ』、『風の音が聞こえませんか』(ともに角川文庫)などがある。

引用元:岡田尊司(2022)『発達障害「グレーゾーン」その正しい理解と克服法』SBクリエイティブ.p. 174.

本の紹介

先ほども述べたように、この本は、様々な知的障害や発達障害・難しさを抱えた状態に触れ、「グレーゾーン」だからといって安心できないこと、むしろ継続した支援が必要であることを説いています。

「克服法」とありますが、細かな方法が書かれているというよりは、障害の種類や特徴が一通り触れられ、こだわりや特性による生きづらさを抱える人の対処の例が述べられています。

知的障害や発達障害の診断基準に当てはまらないからといって、日常生活に支障をきたす特性がある。それは決して悪いことではない。けれども、それは本人にも周りにとっても悩みの種になり得る。

「障害に当てはまるか否か」で捉えてしまいがちな私たち一般にとっては、こういった特性のある人を理解する上でも、新しい発見のある本となっています。

この本にもあるように、否定的に見られがちな特性も、その人にしか持ち得ない、特別な性質になり得るのです。

おわりに

この本を読んで、冷や汗をかく方もいるかと思います(^^;)

でも結局大切なのは、「どんな子でも、その子の性質に合った向き合い方をすること」。それは、知的障害・発達障害やそれに近い特性があっても、なくても変わりません。

また、「うちの子育てにくい…」と心配に思う保護者の方からみなさんに相談や話があった際には、慰めるより、「心配なら保健センターや療育センターに相談してみると良いかもね!付き合い方のヒントをもらえるかもよ!」と背中を後押しすることだなと、今なら分かります。

りっくんが当てはまる可能性のある、「知的障害」や「境界知能」についてもっと詳しく取り上げた本はありましたが、より内容が込み入っていたため診断が下りてから取り組もうと思いました(*^^*)

今回は私の心の準備も含めて、「知的障害」や「発達障害」・「グレーゾーン」などの状態にある人向けの入門書を読んでみました。

「知的障害」や「発達障害」とはどういうものか、「グレーゾーン」の実状・生きづらさについて知りたい方に、非常におすすめの本です!

2022年5月18日家事・育児,自分伸ばし,療育,育児グッズ

Posted by みう