黒川伊保子「娘のトリセツ」

2021年3月28日家事・育児,自分伸ばし二人育児,,育児グッズ

更新が遅くなってすみません…。子供とプロレスしつつ、片手で書いていました(笑)。

父の愛は、時間差で追いかけてくる。自分がその年になって、しみてくる何かだ。娘は、年齢を重ねるごとに、父の愛を拾っていく。

引用元:黒川伊保子(2020)『娘のトリセツ』小学館.p. 93.

この一文を読んだ時、とても泣きたい気持ちになりました。

「我が家には娘はいないけど、『息子のトリセツ』を読んだから、子供つながりで読んでみよう」、そう思って手に取った「娘のトリセツ」。そうだ、私も「父の娘」だった…。

父が18歳の時に亡くなって、一緒に結婚式に出ることは叶わなかったけれど、兄が隣を歩いてくれました。

今の私がここにいるのは、父を始めとする家族や友人、先生たちが育ててくれたから。

そんなことを思い出したら、昨日まではすっかり「可愛い息子たちのお母さん」だった私の心が、一瞬で「小さな娘」に戻ってしまった…。黒川さん〜(T_T)!良い文章が過ぎます…。

著者の紹介

さて、この本を書かれたのは、黒川伊保子さん。

人工知能を専門領域とされ、人工知能の開発過程で対話の文脈に男女の違いがあることを発見。男女で「とっさに使う脳神経回路」の初期設定に大きな違いがあることをつきとめ、それに基づく人間理解を伝えるため、執筆を始められたそうです。

ご自身は社会科教師のお父様を持ち、なんとその授業も受けていたとか。父娘の仲も良く、底抜けにおおらかなこのお父様の娘に生まれたことを、黒川さんはラッキーだったと話されています。

黒川さんのお父様が人格的にもよくできた方だったのと、黒川さんご自身が「打てば響く」タイプだったからこそ、こんなに深い「父親と娘の絆」ができたんじゃないかなぁと、本書を読み思いました。

本の紹介

この本は、娘を持った父親に向けて書かれています。「今の娘」との付き合い方と、「未来の娘」に愛を残すコツが提案されています。

ほかっておくと増大し続ける女性の「自我の刈り込み」と、「客観性の獲得」が、女性脳を育てるために大切なこの本のテーマで、父親の重要な役割です。

しかし側で見ている母親にも、この本を踏まえ、できることはあります。この本に書かれた父親の役割を理解しながら、思春期などの過酷な時期を体験するパパたちに協力してあげてください(*^^*)

方法論的なところでは、娘に「いきなり5W1H」で話しかけるのをやめる、「心の対話」をする、女友達に接するように話しかけ頼りにする、弱音を吐く。そして、父親が母親を一番に大切にすること。この本を読めば、夫の「妻ファースト」も叶うかもしれませんね(笑)。

参考になるか分かりませんが、小さな娘だった私に関して言えば、父親に子供としては大切にしてもらったけれど、もっと自分の本音と弱音を教えて欲しかったなぁと思います(*^^*)母や私たちのことも、子供でも分かるくらい尊重する姿勢を見せて欲しかった。

私自身は、父が家族や子供を大切にしてくれていたのは知っていますが、自分の虫の居所が悪いと怒る人だったし、兄姉も叩かれたりしていました。

躾や他人に迷惑をかけることに厳しい人で、学校の友人の親御さん方からも、「今時のお父さんにしては小さい子に厳しいんじゃない?」と思われていたそうです。

でも私は父を大切に思っていたし、時折見せる少年のようなイタズラっぽい一面が好きでした。正義感が強いところも。

楽しいことや美味しいものが大好きで、よく車で遠出をしてくれました。長距離を走って出先でも子供と遊ぶというのは、平日働いているのに並大抵のことではなかったと、今なら分かります。とても感謝しています。

そのため、私が父に育ててもらう中で求めるようになった男性の性質は、「運転が上手いこと」「何があっても守ってくれる人」のようです(^^;)正直、黒川さんほどの密度の濃い関係は築けなかったし、それ以上に私は父のことを深く理解することは、ついに叶いませんでした。

だからいま親となった方には、娘/息子関係なく「自分の今の素直な気持ちを伝えること」「愛していると伝えること」「自分の行動の理由まで話すこと」を強くおすすめします。

明日あなたがお子さんの側にいられる保証はどこにもありません。こんなに大切なのに、伝えたい時にはお互いにもういないかもしれないなんて、悲しすぎる。「あの時どうして」は、親も子もなるべく残さない方が良い。

自分の親に対しても、今からでも遅くはありません。むしろ大人になった今だからこそ、まだお父さん/お母さんのいらっしゃる方には、対話を積み重ねてほしいと思います(*^^*)言葉に出さなければ、本当の気持ちは伝わりません。お互いの新しい一面に気付けたら、それは宝物。一生自分たちを支えてくれる気持ちになるに違いありません。

おわりに

「夫のトリセツ」「息子のトリセツ」「娘のトリセツ」と見てきて、トリセツの要らない人ってないんじゃないかなぁ…と思いました(^^;)それに、自分の該当するもの(私なら「妻のトリセツ」を読むと、自分の思考の振り返りにもなりますよ。

知らずに周りの話や感覚だけで育てたり関わることはできますが、脳のクセを知っているだけで、ずっとその人の行動が許せる。心に余裕が生まれる。

家族は社会の最小単位であり、一番身近な存在ですが、だからこそいい加減に付き合っていては勿体ない。夫婦に限らず、もっとお互いのことを深く知るために、日本の家族みんなが「トリセツ」シリーズを読んだら良いのにと、心から思います(*^^*)

次は「妻のトリセツ」かな?何にしようかな〜(*´∀`*)だいぶ黒川さんの文章に馴染んできたぞ(笑)。自分の身になることは楽しいです。

今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました!

2021年3月28日家事・育児,自分伸ばし二人育児,,育児グッズ

Posted by みう